工法について
超臨界物理発泡の仕組み
射出の際、超臨界流体を溶融樹脂に混合し、両者が単一相の溶液になるまで均一化します。溶融樹脂が金型のキャビティに入ると圧力の低下によって核生成が起こり、部品が形になる過程で内部に無数の均一な微細気泡が成長します。その結果、緻密な外皮と微細発泡した芯部を持つ構造になります。
この工法は化学的ではなく物理的なものであるため、発泡剤や添加剤が完成部品に残ることはありません。仕上がりは、発泡設備、材料配合、金型設計の3つを同時に適切に整えられるかで決まります。当社は金型製作から成形、品質検査まで、この3つすべてを自社で管理しています。

超臨界発泡
緻密な外皮と発泡した芯部
カーボンフットプリントの低減
部品の軽量化と寸法安定性
発泡成形を選ぶ理由
微細発泡成形のメリット
重量と材料の削減
発泡した芯部が中実の樹脂に置き換わることで、剛性を保ちながら部品重量と樹脂使用量を削減します。
断熱性
セル構造が熱の伝わりを抑え、温かい内容物は温かく、冷たい内容物は冷たい状態をより長く保ちます。
寸法安定性
内部圧力が均一になることで反りと収縮のばらつきが減り、平板形状や薄肉部品の精度が向上します。
吸音と振動吸収
発泡部品は騒音を抑え、圧縮に対して反発するため、マット、ハウジング、内装部品に適しています。
ヒケの解消
セルの成長が部品を内側から充填するため、リブや肉厚部の表面にヒケが出るのを防ぎます。
カーボンフットプリントが低い
部品1個あたりの樹脂使用量が減ることは、部品1個あたりのCO2排出量が減ることを意味し、プラスチック削減目標やESG目標の達成につながります。
実証された成果
量産部品で得られた
実測結果
700mlドリンクカップ、37%軽量化
発泡した2.1mmの肉厚は、はるかに重い中実設計と同等の剛性を確保しながら、完成重量を69.7gから43.3gへ、37.09%軽量化しました。年産1,000万個の場合、年間およそ603トンのCO2削減になります。発泡した肉厚部は断熱効果も持ち、カップを通じた熱の伝わりを抑えます。
エアダクト、反りを解消
中実成形では反りが生じていた大型の平板グリルが、発泡成形により平坦に仕上がり、部品全体の収縮のばらつきが0.9mmから0.3mmに減少しました。
自動車用フロアマット、軽量化と反発性の両立
発泡によりマットを軽量化するとともに、圧縮時の反発性が加わり、踏み心地が向上しました。

PPをはじめとする一般的な射出成形用樹脂は発泡できますが、発泡の挙動は材料の配合、部品形状、金型設計の組み合わせによって変わります。部品図面と樹脂の仕様をお送りいただければ、金型製作をご決断いただく前に実現可能性を評価します。
削減できる量は形状と肉厚によって異なります。700mlのドリンクカップでは、同等の中実設計に対して37.09%の軽量化を達成しました。一般に、肉厚が均一な薄肉部品ほど発泡の効率が高くなります。図面をもとに実現可能性を検討することで、金型製作の前に現実的な数値をお示しできます。
剛性は通常、維持されるか向上します。発泡させることで、総重量を抑えながら中実設計より肉厚を厚くできるためです。緻密な外皮が表面の荷重を受け持ち、微細発泡した芯部が重量あたりの剛性を高めます。
物理発泡では化学発泡剤を加えないため、材料はリサイクル可能な単一樹脂のままです。部品には識別用のカスタムQRコードを付けることもでき、再利用の取り組みや使用後の低コストなリサイクルに役立ちます。
