AMPは、生産された部品だけでなく、射出成形の工程そのものを稼働中に監視しています。
生産フロアの産業用データゲートウェイは、全電動射出成形機とその PLC コントローラーに直接接続しています。シリンダー温度、射出圧力、保圧時間、型締力、スクリュー位置を毎サイクル連続で読み取り、金型トライの段階で製品ごとに確定した成形条件範囲と照合します。この監視の仕組みが、当社のスマートマニュファクチャリングの中核です。
接続先が外付けのセンサーではなくコントローラーそのものであるため、得られるデータは成形機自身の運転記録です。定期的な手動チェックでは見逃してしまう短時間の逸脱も、記録として残ります。
警報は担当エンジニアに直接通知されます
監視中のパラメーターが製品ごとの確定範囲を外れると、システムが段階的なアラートを発します。通知は現場と担当エンジニアへ直接、携帯メッセージも含めて届くため、成形機が稼働したままの状態で対応に着手できます。
警報には担当者が明示されます。管理者の巡回やシフト交代を待つ間、対応待ちのまま放置されることはありません。24時間稼働の現場では、こうした場面で工程の逸脱が見過ごされやすいためです。
台湾とタイの両工場とも、この同じ監視の枠組みのもとで連続生産を行っています。
CPKは定期報告ではなくリアルタイムで追跡
AMPでは、CPKを一時点で実施して保管する調査として扱うのではなく、生産中の成形条件と特性のリアルタイムデータから工程能力を継続的に算出しています。
CPKが1.0を下回った場合に加え、しきい値を上回っていても工程能力が下降傾向を示した場合にも、システムが警報を発します。この傾向の検知が重要です。工程能力が十分な状態から余裕のない状態へ移りつつあるセルは、まだ規格内の部品を生産しています。その段階で是正すれば、成形条件の調整で済み、ロット全体の選別は不要です。
セルにフラグが立つと、システムは同一金型・同一材料による直近3回の生産時のパラメーター設定を呼び出し、技術者に提示します。調整は経験則だけに頼るのではなく、その案件自体の実績データに基づいて行われます。
SPCルールが規格内のずれを検知
しきい値の監視に加えて、標準的なSPCルールをリアルタイムのデータに適用し、非ランダムなパターンを検出します。
これらのルールは、個々の測定値はすべて規格内に収まっているものの、パターンとしては工程が管理状態を失いつつあることを示す状況を検知します。たとえば、連続する点が一方向に推移する場合、平均値の片側に長く並ぶ場合、異常な集中が見られる場合などです。緩やかな上昇傾向のなかで良品を生産している生産でも、不良が出る前に警告を出します。
公差の厳しい部品や外観部品では、この検知の仕組みが、長時間の生産で避けられたはずの廃棄を防ぎます。
すべての警報は是正処置記録によりクローズ
検知には、文書化された対応が結び付いています。
各警報は是正処置記録として起票され、原因の特定、是正の実施、その後の生産データによる効果の確認が完了するまでクローズされません。記録は原因別に振り分けます。成形条件に起因する逸脱は、その案件の工程改善履歴へ。設備の状態に起因する逸脱は、予防保全へと回します。
この2つの経路を分けることで、繰り返し発生する不具合を、成形機側で毎回埋め合わせるのではなく、本来の原因のところで是正できます。
監視は検査・自動化と組み合わせて機能
成形条件の監視は、工程に起因するばらつきに対応するものです。検査に取って代わるものではなく、AMPでもこれを単独で運用することはありません。
一部の成形セルではCCDカメラが成形機側で表面と寸法の特性を確認し、部品が二次加工へ進む前に不良を検出します。サーボ駆動の電動成形機はショットごとの再現性を確保し、この精度での監視を意味あるものにします。また、機械式アームが成形機側で部品を取り出すことで、人手による取り扱いを減らし、外観面を保護します。
文書は別作業ではなく、工程から自然に生まれるもの
すべての逸脱、是正、工程能力の記録は、PLMおよびERPシステムを通じて特定の生産、金型、図面版数に紐付いているため、監査で求められるトレーサビリティはすでに整っています。
IATF 16949の自動車案件のお客様には、初品文書、工程能力調査、部品提出記録を標準でご提供します。自動車以外のお客様には、案件ごとに工程能力報告書、逸脱および是正処置の記録、生産のトレーサビリティ資料をご請求いただけます。
FAQ
シリンダー温度、射出圧力、保圧時間、型締力、スクリュー位置です。これらは生産中を通じて成形機のPLC制御装置から継続的に読み取り、金型トライの際にお客様の部品向けに検証した成形ウィンドウと比較します。
CPKが1.0を下回った時点に加え、しきい値を上回っていても工程能力が下降傾向を示した時点でも警報を出します。あわせて、調整の際の検証済みの参考値として、同一金型・同一材料での直近3回の生産条件も呼び出します。
監視は、ある条件が検証済みの範囲内に収まっているかを確認するものです。SPCは同じデータを分析し、規格内に収まってはいるものの工程が管理状態を失いつつあることを示す傾向を含め、非ランダムなパターンを見つけ出します。
いいえ。監視は工程に起因するばらつきに対応するものです。金型の損傷、材料の汚染、取り扱いによる不良は依然として検査が必要であり、そのため成形機側のCCD検査を成形条件の監視と並行して運用しています。
台湾とタイの両工場とも、同じ監視と品質の枠組みのもとで24時間生産を行っています。
各拠点での工程監視の実際については、スマートマニュファクチャリングのページをご覧ください。案件のご相談は技術チームまでお問い合わせください。
